S5ファンドが日本経済新聞(電子版)で紹介されました

神姫バスがファンド設立 地域活性化につながる新興企業に出資

2019/6/3 15:42 日本経済新聞 電子版

兵庫県姫路市を拠点とする神姫バスは3日、5月末にファンドを設立したと発表した。ベンチャーキャピタルのサンブリッジグローバルベンチャーズ(大阪市)と組んだ。交通サービスの利便性向上などにつながるスタートアップを支援し、兵庫県の姫路を中心とした地域の課題解決を目指す。地方のバス会社によるファンド設立は珍しい。

神姫バスは人口減少による利用客の減少が課題になっていた

新ファンドは「S5(エスファイブ)」。人の移動を効率化する「スマートモビリティ」や、住民のライフスタイルを様々な技術を駆使して便利にする「スマートコミュニティ」を手掛けるスタートアップなどに出資する。

神姫バスは5億円、サンブリッジグローバルベンチャーズのグループで1億円出資しており、2020年5月末までに50億円規模を集めたい考えだ。複数の移動手段を組み合わせて一つのサービスとして提供する「MaaS(マース)」の導入や、農業の効率化、空き家の活用、訪日客呼び込みにつながる事業を手掛ける企業も出資先として想定する。

投資先の本拠地は問わない。国内や米国、アジアをはじめとする海外のあらゆる企業を対象とする。段階も初期からIPO(新規上場)前までと幅広い。十数社への投資を想定し1件当たりの投資額は案件にもよるが5千万円程度という。第1号案件を6月中にも決める。

人口が減少する中、神姫バスの利用者も減少。利用者数を伸ばすには一企業としての努力だけでなく、街全体の魅力向上が欠かせない。8年後に100周年を迎える同社だが「このままでは明るい未来は描けない」(事業戦略部の浜田環樹部長)と、ファンド設立に至ったという。

大手企業によるCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)設立は増えつつあるが、地域のバス会社がファンドを設立するのは珍しい。国内外での投資実績を持つサンブリッジグループのアレン・マイナー会長兼最高経営責任者(CEO)は「私が知る限りでは世界初。神姫バスからのファンド設立の提案には驚いた」と話す。地方発のファンドによる取り組みで地域振興につなげられれば、国内のみならず米国やアジアで同様の課題を抱える地域のモデルケースとなりそうだ。